<やまとの話> Sun, 16 July 2000
やまとというのは、実家で飼っていた犬の名前です。
初代やまとと二代目やまとがおりまして、そのご紹介。
これが初代やまとです。
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オヤジには柴犬だって教わった記憶があるんですが、今見るとどう見ても雑種(笑)
まずは「やまと」という名前の由来を。全く持ってうちの家族らしくて、かなり恥ずかしいのですが。
名前を決める家族会議にて、家族5人の意見は大きく二つに割れました。今考えればおかしな話で、色は白でも黒でもないのに・・・。
クロ派(私・妹) vs シロ派(母・弟)
ともかく、「クロが良い」「シロが良い」と、延々言い合いをしたあげく、キャスティングボードを握っていたオヤジが、「やまとにしよう。」と発言。4人は反対したにもかかわらず、「やまと」に決定してしまいました(笑)
我が家は父親絶対の家なのでした。どっちが良いかって聞いたじゃない!(笑)
私がまだ保育園に通っていた頃でした。なぜか父親が「犬を飼う!」と一声を発して我が家の一員となったやまと、当時三ヶ月。家に来て一週間ほどは、母親を懐かしんで「く〜んく〜ん」と鳴いていました。あまりに切ない鳴き声なので、耳に残ったんでしょうか。しばらくは段ボールに入れて、玄関の中や廊下に置いて飼っていた気がします。
やまとが家に来て間もなく、祖父(父方)の家に家族総出で正月の挨拶に行きましたが、やまとはお留守番と相成りました。ちょっと遠距離で、心配ではあったのですが。
さて、夜になって帰宅。当然「やまと〜♪」と、犬の元へ駆け寄る兄弟でしたが・・・
「いない!」
さすがにあわてた両親ともども、家の中を大捜索して回ります。
台所、カーテンの裏、下駄箱の中、机の下。なかなか見つからず、いったん全員が集合してふと下を見ると・・・こたつの布団にくるまって寝てるんですよねぇ。
安心したのと同時におふくろの「寂しかったんだね」と言う言葉が非常に印象的で、今も忘れることはありません。そうそう、あとでこたつの周りを飛び回る「ノミ」を一生懸命つぶしたことも、忘れてないや(笑) |
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さて、このやまととは、悲しい別れも体験することになりました。物心ついてから初めて感じた「一生の別れ」なので、今も忘れられません。
小学校二年生の夏休みでした。一年生の時には許可されなかったのですが、二年生になったということで、祖父の家にお泊まりを許されました。
親にとっても、子供が家を離れて一人で泊まるというのは初めて。もちろん行き帰りは付き添う事になりました。
その日は、良く晴れて暑い日でした。私が祖父宅から帰ってくるこの日、家中ドタバタしていたんですね。母が迎えに来てくれたのですが、家族全員、普段夏の暑い日にやまとにしてあげる一つのことを忘れました・・・。
暑い日には、犬小屋の所は非常に熱くなるので、比較的日の当たらない庭にやまとを移してやってました。彼はその庭に土を少しだけ掘って、お腹を「ぺたっ」っと土につけて寝るのが、夏の日課でした。
ところが、この日に限って、やまとを犬小屋につないだまま、家族はみな、家を出たのでした。そしてやまとは、そのことを家族に知らせる事もせず、家族を静かに送り出したのでした。
楽しかった日々を母に話しながら、気分良く家に帰って来た私は、久々に会うやまとの元に真っ先に行ったのですが・・・既にやまとはグッタリとしており、お腹の中身を戻しています。異変に気づいた私はすぐに母を呼びましたが、もう既に手遅れ。完全に熱射病でした・・・。
私の帰るのを待っていたのでしょうか、その数分後、
目の前のやまとは、静かに目を閉じました・・・。
本当に大きなショックを受けたとき、人は何も考えられなくなるのですね。この時初めて知りました。ちなみに右の写真は、この夏に偶然撮ったものです。彼はこの小屋の中で、短い一生を終えることになったのでした。
さすがにその後数年間、犬のこと口にする事は、我が家では誰もできなかったです。
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あれま、ずいぶんな量になりましたね。
しょうがない。二代目やまとは次回に回そう。
って、やっぱり次回があるか不明ですが。
完
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