今回は盗賊上がりの絵師石田竹仙が、押し込みを控えた盗賊団の仲間割れを目撃し、
その盗賊の頭が竹仙そっくりであったことから起きた事件である。
鬼平の世界の特徴の1つとして、不思議につながっている人間関係がある。
事件解決のヒントを今回のように、
以前の事件でほんの一時かかわった人から得るようなことが多い。
平蔵はこうした細い細い人間関係を大切に生活している。
もちろん次の事件を予測してこうしているわけではなく
人の命ははかないもの。
生きて出会ったからにはそれを大切にしていこう。
平蔵自身がそう心がけているのであって、人間として学ぶべきところと思う。
最後に坊主善達が自ら命を縮めたとき、大切な人間関係を一つ失ったことが
平蔵には悔しかったに違いないんではないか。
余談だが私のお気に入り、「うさぎ」こと木村忠吾はこの頃にはある程度使える奴にはなっており、
平蔵も一応まともに同心としての仕事を任せるようにはなっている。
ちなみに今回、うさぎは初めて坊主になってお役目にはげまされることになる。
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石田竹仙を火盗改メの役に立たせるように助言したのもうさぎであったが、
それはまたの機会に。