98.6.10放送

「最終回」






今回初めて、TV放送を見てからコメントを書くことになった。あらすじは知っていても放送前に物書きしていたので、原作寄りの話になったのはこの為。

さて最終回。
あらすじを見ても、長谷川平蔵を殺せはしないだろうと思っていたので、話の内容は予想通りだった。が、白子屋菊右衛門との対決があれだけで終わってしまったのが、非常に残念である。


香具師の元締かつ大阪の暗黒街のトップという立場を利用し、菊右衛門が手下や他の盗賊を利用して平蔵に挑んだことはあるが、原作にある物語の中で、平蔵と菊右衛門は直接対決したことはない。
江戸と大阪というお互いの本拠の間の距離が、そうさせたのだろうか、普段は小競り合いである。ところが、一時的にその距離が縮まったときがあった。

(京都墓参り&供はうさぎとくればおわかりでしょう。)

この京都行きでは、うさぎの京女遊びや、うさぎの婚期が遅れる原因となった、京都西町奉行与力の浦部彦太郎の娘お妙とうさぎの婚約等があったわけだが、この時の一件で命を奪う寸前まで平蔵を追いつめたのも、菊右衛門の暗躍によるものである。


ちなみに平蔵の良き?ライバルとして、しのぎを削りあった盗賊には、この菊右衛門(正確には盗賊ではないのだが)の他に、葵小僧や網切の甚五郎などがいる。

逆に本格的盗賊は、いさぎが良いのか、汚い手を使わないのか、あまりライバルというほど平蔵を苦しめる存在にまでは至っていないようだ。


さて、一番良いカットとはいえ、昔の作品を見ると良くできているなぁと、感じずにはいられなかった。乞う再放送。お願い・・・。

だから最近の作品は質が落ちたと言わざるを得ない。このへんが潮時、打ち切りやむなし、というのも当然なのかも知れない。


参考:「麻布ねずみ坂」,鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第3巻,第1話
   「兇剣」,鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第3巻,第4話
   「駿州宇津峠」,鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第3巻,第5話   他

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