98.3.11放送

「一本眉」


Key Word : 顔




一本眉です。やっと来ました。


うさぎこと木村忠吾が湯島天神近辺の巡回受け持ちになると、つい寄りたくなる
行きつけ?の呑み屋「治郎八」。
互いに相手の本性を知らないのだが、ここの客(実はあるじ)一本眉こと清洲の
甚五郎と、浪人木村忠太郎こと木村忠吾は、気のあう呑み友達である。

さて、甚五郎がつとめのために引き込みを入れていた亀屋九右衛門方に急ぎばた
らきの盗賊倉淵の佐喜蔵が押し込んだ。
長谷川平蔵が匙を投げたこの事件だが、畜生ばたらきに怒った甚五郎は一味と共
に佐喜蔵へ制裁を加えるのだった。


物語なので当然とはいえ、鬼平の世界にはいろんな特徴的顔が現れる。
うさぎや一本眉を含め、馬やら猿やらコボウやらetc.
自分の周りにこんなにたくさんの顔があったらと思うと、つい周囲を見回して
「う〜ん、熊かな?」
とやってしまう。
Bちゃんごめん(^^;;


昔から顔というのは人をよく表しており、三国志の馬良に付いた「白眉」など
は、今も頭の良い人の代名詞であったりする。

鬼平の作品では、比較的顔と人柄が一致しており、愛嬌のある人物や好ましい
人物には、盗賊側も含めユニークな顔が与えられている。
登場人物の顔だけを見てどんな話か想像するのも、また一興かもしれない。


ちなみに亀屋を嘗めた座頭の茂の市をこの道に引き込んだのは、小房の粂八の
元お頭の野槌の弥平。平蔵の初仕事でとらえられたあの盗賊である。

ところで今週も先週と同じく本格的盗賊と急ぎばたらきの対比が中心。
今回のシリーズ放送のテーマなのだろうか。

(とまあうまくかけないので、いつもと違った視線で書いてみました。)


鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第13巻,第6話

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