古参の密偵粂八が経営する船宿「鶴や」、ここには盗賊が店に来た時、話を盗み聞きできるように隠し部屋があった。
ある日この鶴やに、盗賊笠倉の太平と砂蟹のおけいが現れた。粂八は2人を隠し部屋付きの座敷へ案内させ話を盗み聞くと、果たして押し込みが判明した。
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長谷川平蔵は先手を打って押し込み先に潜り込み、情報を集めた。賊の首領は長沼又兵衛、高杉道場の同門で、平蔵・岸井左馬之助と共に「三羽烏」と呼ばれたほどの剣豪であった。
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又兵衛が決して許されなかった免許皆伝。平蔵は、
「高杉一刀流の免許皆伝は、すべて白紙にもどることよ。」
と言っている。
又兵衛の剣には欲があり、決して無ではなかったゆえに、免許をもらえなかったのか。
高杉先生の胸三寸。
悟った物がある人間にはわかるのか。うらやましい。
結局道場から伝書を奪った又兵衛だが、これがきっかけで盗みの世界に入っていったのかもしれない。
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最後に、今作品の原作の題名は「高杉道場・三羽烏」である。左馬之助をさしおいて、高杉道場の竜虎の立場を又兵衛に与えたのも少々許せないが、それよりも題名の「同門対決」を何とかして欲しい。容易に付けられた題名だなと思った人が、何人もいるのではないか。
私だったら「梅蕾」とでも付けてみたいのだが、いかがか。う〜ん、やはりおそれ多い。
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