盗賊改メの役宅にほど近い場所で屋台を営んでいる久兵衛が、役宅に長谷川平蔵宛の手紙を持ち込んだ。女が名も告げずに久兵衛に預けたその手紙には、
「こんや、九ツはん、ふか川、せんだいぼり、かまくらやへ
おしこむぬすっと十五にん」
と記されていたのだ。鎌倉屋と言えばそれなりに大きな足袋問屋。平蔵はすぐさま出役し、まさに押し込みの最中であった盗賊一味を捕らえる事に成功した。
捕まったのはかねてから手配中だった急ぎばたらきの盗賊、伏屋の紋蔵。平蔵は、この紋蔵の顔をどこかで見たことがあるように感じるが、鍵を握る女の行方は知れない。そこで、相模の彦十を呼び寄せ紋蔵の顔を見せたところ、彦十はある一人の侍の名を口にした・・・。
|
|
珊瑚礁のお百にとって、この「密告」は命を賭した恩返しにあたります。平蔵から受けた恩に報いるためには、自身の命など二の次で。その恩を受けてこの世に生を得る事ができた息子の、立ち居振るまいへの責任と、後始末を、彼女なりに果たして行きます。
一方で、平蔵にとってこの恩はそんなに重いものでは無いようで。作中にもありますが、普段通りの立ち居振る舞いの一端が、たまたまお百にとっての一生の恩に繋がっているに過ぎません。
恩の重さってどうやって決まるんでしょうか・・・。
もちろん恩を施す側と恩を受ける側が立場的に対等であるとは思いませんが、でも、ずいぶんと不公平な気もしますし。いや、恩の重みは送り手と受け手で違うのが本来で、釣り合う恩義なんてものは恩じゃ無いんですよね。私自身も多くの方々から恩をいただいて過ごしていますが・・・命を賭して報いる事のできる恩って何だろうと、その重みを考えながら見てみようかなぁと思っています。
|
|
さて、今回の放送では、冒頭の捕物が間に合わず、盗賊一味を逃がしちゃうところから始めるんですね。お百の平蔵への恋心みたいなものを描くんだろうなぁと予想していますが、それはまぁ良いとして・・・ネタってなに、ネタって!せめて平仮名に留めるとかさぁ。というのが一番気に障る今日この頃。それだけ俺が年食ったって事なのかなぁ。
|
|