97.6.4放送分

「寒月六間堀」


Key Word : 弱者の味方




今回はの主人公は老武士、市口瀬兵衛。
瀬兵衛のせがれの敵(かたき)討ちを平蔵が手助けする物語。

敵である山下藤四郎は瀬兵衛の息子、市口伊織に言い寄ったが拒絶され、
それを妬んで伊織を殺害した。
それに対して父の瀬兵衛が仇討ちをしようと立ち上がる事になる。



本来の仇討ちというものは、父親や兄の敵を討つのが正しいものである。
ところがこの場合息子の敵討ちであり、子や弟妹、妻などの敵討ちは変則で、
公には認められていない。

ただでさえ長期にわたれば、自分の藩からの仕送りも途絶え、辛い旅になる仇討ち。
変則となればなおさらで、それだけに平蔵の行動はうれしかったに違いない。

今回は、弱者の味方、正義の味方、鬼の平蔵を存分に楽しめるんではないだろうか。




ちなみに今回平蔵は、五鉄という軍鶏鍋屋で酒を過ごして泊まり込むことになるが、
この店は、平蔵が昔放蕩無頼の生活をしていた頃からのなじみで、
亭主の三次郎の父親には、平蔵はさんざん世話になっている。

おまさや彦十とはこの頃からのつきあいであり、
平蔵は五鉄に来ると昔話に興じて羽目を外すことが多い












鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第7巻,第6話

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