97.7.2放送

「二人女房」


Key Word : 悪知恵




今回の主人公は、高木軍兵衛という用心棒。

彦島の仙右衛門一味の嘗め役を務める、加賀屋佐吉は自分自身も掏摸、恐喝など
小さな悪事を重ねていた。

仙右衛門は女房持ちだが、おときという女に入れあげており、女房は邪魔。
また女房のお増は佐吉と良い仲になってしまい、仙右衛門を殺して、佐吉と一味を束ねて行きたい。
佐吉に千載一遇のチャンスが訪れた。

そしてある時、昔の悪仲間の軍兵衛を見つけ彼を使ってお頭暗殺を企てるのだが、
軍兵衛は昔の軍兵衛ではなく、今をときめく鬼の平蔵の知り合いだった。




盗賊のお頭と、その女房。
2人の間を知恵一つで立ち回り、盗賊一家を我が物にしようと奔走する手下。

成功するか失敗するかは紙一重であり、
もちろん失敗すれば、盗賊の掟に反したことにより命はない。

盗賊の世界もまさに弱肉強食。人間臭い世界である。



この事件の後平蔵は、熱海の温泉に骨休めに行くことになる。
温泉でも事件は起こるのだが、それはさておき
この御役目は激務であり、平蔵の体も徐々に疲れを蓄積していくのだった。




ところで軍兵衛を火盗改メの御役目に使う代わりに、
同心随一の使い手、沢田小平次が佐倉屋の用心棒として佐倉屋に入るのだが、
佐倉屋のあるじ、勘兵衛さん。
それを頼みに来た長谷川平蔵さんを見て、気が付かなかったのかな?

彼は用心棒の一件で、同じように佐倉屋の用心棒をつとめた、あの木村うじだよ。

恐縮していないで、ちゃんと顔見て顔見て。


こういう鬼平の、お遊びの部分がすごくいいですね。














鬼平犯科帳,池波正太郎,文春文庫,第12巻,第7話

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